WE LOVE KEIBA ~3rd Season

観戦記を中心に競馬の事を書いてます

宝塚記念観戦記

5冠、史上最速10億円馬の誕生だ

ディープインパクトを見に京都競馬場まで行ってきました。
観戦記を書いてみました。だいぶ長文ですがお付き合いを。


前日の土曜日、京都は良く晴れていた。酷く蒸し暑い。
馬場状態は良馬場に回復するまでになった。
これなら明日は再び飛ぶ走りが見れる。そう確信したのだけど・・・。


朝6時起床後即競馬場へ向かう。空はどんより。昨日の晴天が嘘のようだ。
そして競馬場に着いた時は肌にわずかに感じるだけだが雨が降り出した。
やはり季節は梅雨。出来ればレースまでに持って欲しいのだけど。
そんな天候だけど競馬場には朝6時半の段階で長蛇の列。
さすがにダービーほどではないけど、ファンの気合も十分だ。


ほどなく開門。同行した馬友Kさんはスタンド、私はパドックへと走る。
パドックで熾烈なポジション争いを制した後スタンドへ向かうと、こちらもまずまずのポジションに腰を落ち着けることが出来た。
やはりこの天候と出走メンバー関係が客足を鈍らせたのだろうか、ダービーや有馬記念などで味わう窮屈さを覚えることはなかった。
それでも最終的には8万人超。みんなよくやるよ(お前も)。


落ち着いたところで場内散策。
京都競馬場に来るのは初めて。
おそらく京都競馬場に初めて、もしくは遠征で来た競馬ファンがとりあえずする事と思われるライスシャワー碑へのお参りに行く。

【疾走の馬、青嶺の魂となり】
出走各馬の無事、そして素晴らしいレースが行われることを祈る。


さらに場内をさまよってみる。何やらテントがあり人だかりが出来ている。
この後凱旋門賞を目指すディープインパクトの応援メッセージを受け付けているらしい。

我々もメッセージをしたためる。メッセージ内容は・・・秘密。
先着で3冠記念コースターが貰えた。
こんなの


そろそろレースが始まる時間になった。
私はパドックへ、Kさんはスタンドへ戻りそれぞれ馬券で遊ぶ。
この頃になると懸念された雨がとうとう降り出してきた。
私が得意なのは未勝利戦。午前中に勝負を決めてしまいたい。
しかしこれがなかなか当たらない。
しかも全くの見当外れと言うわけでもなく、間に余計な馬が挟まると言うパターンばかりだから余計にストレスがたまる。
5Rの新馬戦で外したところで諦めた。
しかしせっかくここまで来たのだから払い戻しに並びたい。
そして買ってしまった禁断の馬券。

そこまでして当てたいか。うん当てたい。
ほほぅこれが噂の京都競馬場限定記念馬券ね。
ちなみにKさんは単勝万馬券の馬から流して、その馬が勝ったのにヒモ抜けと言う屈辱を味わっていた。なんで単勝買ってないんだか・・・。


ところで雨。2R頃にはすでに本降り。一向に止む気配はない。
午後になっても延々と降り続ける。しかし馬場は依然として良発表。
なのにレースは重馬場特有の決まり方ばかりだ。
不安が募る。
雨の中のパドック生活は厳しい。気温が高く寒くないのが救いだが体力は消耗する。服や鞄はジトッと湿って気持ち悪い。
そんな状況を耐えて本日のメインレース、宝塚記念の出走馬が入場する時間になった。


ディープインパクトが入ってくるとパドックに緊張感が走る。
パドックにいるほとんどの人の視線を浴びながらも悠然と歩く4冠馬。
落ち着きは十分だ。馬体重も442㌔まで戻して一安心。


ところでこの日は朝からずっとパドックにいた。
その間、未勝利馬から新馬、条件馬などいろいろな馬を見てきたけど、
4冠馬ディープインパクト、この馬がそれらの馬とは明らかに違うと言うことは馬を見る目がない私にもハッキリとわかった。
具体的に表現できないのだけど、オーラが違うと言う感じ。
ご存知小さな馬体をした馬。決して目立つ馬じゃない。
何が凄いかわからないのに、とにかく他の馬とは全然違うと思った。


馬の作りは完璧。となると後は馬場と雨。
やや重発表になっていたけど、あれのどこがやや重?と思うぐらい荒れてきていた。
阪神大賞典で道悪経験があるとは言え、あの時とはまた違う状況でどうか。
その心配が消えたのは返し馬を見て。
実にスムーズにキャンターに入る姿を見て一安心。
普段返し馬なんてまったく参考にしてないが、返し馬診断で馬券を買う人の気持ちが少しわかった気がする。


宝塚記念の生ファンファーレを初めて体験してレースは始まった。
ディープインパクトのスタートは抜群。
しかしすぐにいつもどおりポジションを下げる。この馬場でその位置で大丈夫かと思ったが、まったく気負いなく折り合う姿は頼もしく見えた。
レースは淡々と進み3コーナー。天皇賞で超絶ロングスパートを見せたあの位置に来てもまだ動かない人馬。まさか馬場に脚を取られている?
なかなか上がっていかない姿を見て観客がざわつき始める。
おいおい大丈夫かよと言った声がアチコチで上がる。
ターフビジョンの画面が先頭を映す。先行馬からはだいぶ離れている。
これは本当にやばいかも、そう思った時また画面が切り替わった。
そしてそこに映っていたのは澄ました顔で先行馬に取り次いでいく4冠馬の姿だった。
大歓声が上がるスタンド。雨でも重でもディープはいつものディープだった。
直線バランスオブゲームが抜け出しているかに見えていたけれど、誰もが勝ちを確信。
そしてアッサリと捉えて突き放す。最終的には4馬身差をつけて見せた。
スタンドは呆気に取られて声も出ないと言う感じだった。
ここまで遠征して来たカイがあった。またしても良いものを見せてもらった。
心地よい満足感に包まれて競馬場を後にした。
そうそう、結局あの単勝馬券は勿体無いから払い戻さなかったのだけど。


道中の折り合い、スパートのタイミング、どれもが完璧だった。
武豊騎手がこの馬は競馬をわかっていると語っているがまさしくその通り。
調教では併走馬をなかなか捕まえに行かないが、レースではそれが一変する。
馬が競馬とはなんぞやという事を完全に理解しているのは間違いなさそう。
ディープインパクトはいよいよ完成期に入った、そう思わせる宝塚記念でした。

(※その他の写真もアップしました。)