WE LOVE KEIBA ~3rd Season

観戦記を中心に競馬の事を書いてます

天皇賞・春観戦記

今年のゴールデンウィーク春天の観戦に出かけました。
今年はメンバー的に超大物こそいなかったものの、好天にも恵まれそうで多くの来場者が予想され、念のために例年通りの5時起きでの競馬場入り。
開門ダッシュの結果、わずかに及ばず足かけ席は取れなかったものの、例年通りの場所から観戦することが出来ました。
それにしても暑いくらいの晴天でしたね!


春の京都開催と言えば例年話題となるのが超高速馬場。
内先行断然有利で、追い込み馬には辛い固い馬場なのです。
今年もきっとそうに違いないと、この日の芝のレースは全て先行馬を狙っていました。
当然本番春天でも同じ考え。
距離が3200メートルもあれば、さすがに弱い馬ならバテてしまうだろうけど、今回はお誂え向きの強い先行馬がいた。
去年の菊花賞キタサンブラックだ。
逃げなくても勝っている点は心強い。
母方のサクラバクシンオーの血が疑問視されてか、父のブラックタイドが亜流だからか、いつも成績ほど人気をしない点もいい。
3連複の軸として馬券を購入した。


レースは抜群のスタートを切ったキタサンブラックがそのまま逃げの手に出た。
折り合いも完璧でマイペースで進んでいく。
番手につける馬はいずれも人気薄の馬ばかりで、有力視された他の馬はその直後くらい。
展開的に言えばまさに絵に描いたような理想的なもの。
自身はマイペースで行けて、他の有力馬はバテてくるであろう弱い馬たちを捌かねばならない。
3コーナーを過ぎたあたりでキタサンブラックの馬券圏内は確信しました。


ところが直線向いて予想外に手応え抜群の伏兵がいたのです。
なんとカレンミロティック
たしかに去年の3着馬だけど、最近不振の8歳馬がここで激走するのか!?
場内はどよめいた。そして確かに一瞬先頭に躍り出たのである。



誰もが大波乱が起こると思った瞬間、内からキタサンブラックがもう一度盛り返す姿がファインダー越しに飛び込んできた。



まさかの差し返し。
GIでこんなの見たことがない。
そのまま2頭は激しい鍔迫り合いを演じた。



譲らない叩き合いはゴールまで続き、その瞬間は写真を撮りながらハッキリと目に入ってきた。
勝ったのは内からまさかの差し返しを見せたキタサンブラック
写真判定になったけど、自分が撮った写真が真実を物語っていた。



ジョッキーはどうだったのだろう。
引き返してくる時カレンミロティックの池添騎手は厳しい表情。
おそらくわかっていたんじゃないかなぁ。
一方武豊騎手は珍しく半信半疑だったようだが、表情がすべてを物語っていたような気がする。



判定はアッサリと出て、予想通りキタサンブラックが勝っていた。
これで菊花賞に続いて長距離のGIを2勝目だ。
そこにサクラバクシンオーの姿はなく、脚長ですらっとした体型はブラックタイドそのものだ。
面白いもので、同じ血でもディープインパクトとは産駒のタイプが全然違うんだよね。
そう言えばブラックタイドの現役時はなかなかその能力を出し切れず、「もう一段隠されたギアがある」と語っていたのは他の誰でもない武豊騎手であった。
産駒のキタサンブラックでその答えは出たのだろうか。
あの差し返しこそが隠されたギアだったのかもね。
大過ぎる弟の前に過小評価されがちだけど、やっぱりブラックタイドもただ者じゃなかったんだと思う。



北島三郎オーナーも参加した表彰式&勝利騎手インタビューはたいそう盛り上がった。
歌うつもりはなかったという「まつり」も、観客のコールに応えて披露していた。
GIでの差し返し、平成の盾男の面目躍如、そしてサブちゃん。
そんな見どころ満載の今年の春の天皇賞だったのでした。



なお馬券はカレンミロティックを軽視したため、大外れ。
3着シュヴァルグランも4着タンタアレグリアも持っていただけに、余計に力が抜けるのであった・・・。
次走遠征予定は一応ヴィクトリアマイルとします。